
エンジニアがいるから「世界で戦える産業の創生」に技術者目線でも切り込んでいける
―社内にエンジニアという技術力を持つことの強みはなんでしょうか?
モモオ 当り前のことですが宇宙産業において事業を創り上げていくには、技術的な視点・機能は欠かせません。2020年9月現在、当社は7名のエンジニアを抱えており、衛星開発経験者、衛星打上げの安全審査経験を豊富に持つベテランエンジニア、ISS運用の経験も有するISS利用のプロフェッショナル、ロケット開発経験のある若手エンジニアなど、確かなバックグラウンドを持った専門家が集まっています。
社内にエンジニアがいるということは、一番近いところに何でも相談できる技術力をもった同志がいるということです。事業開発のプロとエンジニアが交ざり合ってチームを組んでいるということが最大の強みであり、これが新しい事業をスピード感をもって生み出す源泉となっています。
また、当社はユーザーフレンドリーなサービスを提供していくべく日々奮闘していますが、これもエンジニアがいるからこそ実現できるものです(詳しくは「エンジニアテラダの挑戦!」をお読みください)。
スペインSATLANTIS社のi-SEEP搭載機器iSIMのインターフェイス試験完了時の写真 ©JAXA
iSIM案件の打上げと宇宙での運営開始に関するプレスリリースはこちら
・2020年7月21日:Space BD初のISS「きぼう」船外利用サービス案件にて、宇宙実証を目的として搭載した小型衛星搭載用地球観測カメラ『iSIM』の画像受信に成功
―事業開発のプロとエンジニアが交わるとどのようなシナジーが起きるのでしょうか?
モモオ Space BDのエンジニア人材の最大の特色は、技術的な専門知識を有したうえで、あくまでも「事業開発のプロ」としての目線を大切にしている点です。当社でのエンジニアの仕事は「宇宙にモノを運ぶ為の技術調整」に着目してしまいがちかと思いますが、それだけではありません。毎回のお客様とのやり取りの中でも、「宇宙を産業にするために何ができるか」という視点を大切にしています。
例えば「きぼう」衛星放出事業やISS「きぼう」曝露部利用事業では、当社はJAXAに対してお客さまの声を積極的に届けるようにしています。安全審査や搭載作業をお客さまと共に実施していくなかで得た知見をもとに、より使い勝手の良いサービスに磨き上げていくべくユーザーマニュアルに関するフィードバック・改善案をJAXAに提案することもあります。民間企業ならではの立場から、日本の打上げ手段やISS等の宇宙資産が海外から見て更に魅力的なものになるよう、プロセスの簡素化などに取り組んでいるのです。
このように、当社の目標である「世界で戦える産業を創ること」を技術者目線でも切り込んでいける、ということが強みであり、エンジニアとして当社で挑戦する醍醐味でもあります。
地球低軌道の商業化とさらにその先へ
―最後に、今後Space BDで実現したいことはなんですか?
モモオ 個人的には小さいころからスターウォーズが好きで宇宙に興味を持ったので、人類がどこか遠い惑星に簡単に行けるような世の中にしたいです!
そのためにも、まずは地球低軌道の産業化の実現ですね。近い領域から誰でも宇宙を利用できるような産業化を果たしていき、より遠くへ、というアプローチを続ければ、やがて月、火星、さらにその先へと誰もがいける世界が実現できると信じています!
- 1
- 2