シリコンバレーはGAFAMを初めとするIT企業の聖地というイメージがありますが、近年宇宙分野でも、勢いのあるスタートアップが登場してきています。ここでは、その中でも特に注目の5社について、紹介していきます。
<Planet>
Planetは自社で低価格の超小型衛星を開発・運用するとともに、衛星から得られた地球観測データを分析、加工し、その情報を顧客に提供しています。
これまでに合計100機以上の衛星を打上げており、これらを運用することで常時地球観測を実現しています。分解能1mクラスという高解像度の衛星画像を扱い、またデータ取得費用を大幅に削減することで、幅広いユーザーにデータを提供できることが強みとなっています。既に農業、石油、ガス、鉱山をはじめとする、幅広い分野で活用されてきています。
<Moon Express>
Moon Expressは月面探査のためのローバーの開発を行うスタートアップで、日本のHAKUTOチームも活躍したGoogle Lunar X Prizeで最終選考に残りました。月面への着陸は、成功すれば民間企業初、歴史上でも4番目の偉業となります。X-Prizeは2018年1月に終了したものの、今後も継続して月面着陸船MZシリーズの開発を行うことを掲げています。
宇宙条約により宇宙における活動には制限がありますが、Moon Expressはアメリカ政府から月着陸の許可を取得しています。
資金調達の面では、2017年1月時点までに合計4,500万USドル(約50億円)を調達しています。CEOのNaveen JainはInfoSpace(現Blucora)というインターネット事業会社の創業者でもあり、2010年にMoon Expressを2人の共同創業者と共に立ち上げました。地球で活用できる月資源の探査を目標に、5年以内に月面基地を作ることも目指すと発表しています。
<Spire Global>
Spire Globalは衛星データ分析を手掛けるスタートアップで、独自の衛星データとアルゴリズムを用いて海上、航空、気象に関する追跡情報を提供しています。自社で製造した小型衛星コンステレーション(多数の衛星が強調して作りあげるシステム)を運用して、2018年1月現在48機の小型衛星を打上・運用しています。1日に100回以上の通信センサを用いた地上の観測を行い、船舶や航空機の位置、数、気象予報のデータを提供しています。
昨年11月にはLuxembourg Future Fundを初めとする投資家より7,000万USドル(約80億円)を調達し、これまでの約8,000万ドル(約90億円)の調達と合わせると、1.5億USドル(170億円)の調達に成功しました。CEOのPeter Platzerはボストンコンサルティンググループ、ハーバードビジネススクール、シンギュラリティ大学、NASA、International Space Universityといった幅広いバックグラウンドを持っていて、地球上のあらゆる点の衛星データを提供することを目指しています。
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