衛星のすべてを支える電源装置
今日、私たちの暮らしに広く役立っている人工衛星。人工衛星には多くの電子機器が搭載され、通信や地球観測、測位など多岐に渡るミッションを行っていますが、当然ながらそれら電子機器は電気で動いてます。今回は、その衛星に必要不可欠である電気をコントロールする「電源装置」を製造する、株式会社アストレックス(以後AstreX)の代表である平井良太氏にインタビューしました。
AstreXは、主に超小型衛星向けの電源装置の開発・販売を行っています。
電源装置とは、 主に蓄電池と電源制御装置の2つの部品から成る系統で、電源系とも呼ばれます。AstreXではこのうち電源制御装置を製造し、バッテリーセルを製造は外部から調達しています。この2つを組み立て、電源装置という製品として販売しています。
AstreXが製造する電源制御装置とは、太陽光パネルからの発電を適切にコントロールすると共に、バッテリーへの充放電管理を行う装置です。超小型衛星において、電源制御装置はロケットとのインターフェースにも関わるため、他の機器に比べ安全審査で求められる項目は多く、それだけ精密な部品であるといえます。
AstreXの電源装置は、UNISECの「UNITEC-1*1」を皮切りに東京大学や大阪府立大学などの大学、またAstroscaleなどの民間企業の衛星に納入された実績があります。
*1 UNITEC-1:大学生と高等専門学校生による実践的な宇宙工学活動を支援することを目的とするNPO法人の大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)により開発され、金星に向かって打ち上げられた深宇宙探査機。
UNITEC-1ホームページ