⑷科学衛星・探査機
宇宙の謎に関して科学的に調査を行う衛星で、地球周辺の観測を行う衛星から、深宇宙と言われる地球から遠く離れた地点まで航行して科学探査を行う衛星まで含まれます。
代表的な衛星には、小惑星探査機「はやぶさ」や金星探査機「あかつき」、「ハッブル宇宙望遠鏡」などが挙げられます。
金星探査機「あかつき」
出典:JAXA<http://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/current/akatsuki.html>
⑸有人衛星
この分類はあまり耳慣れないかもしれませんが、上述の通り国際宇宙ステーションは衛星の一つに当たり、この有人衛星に分類されます。
人が搭乗するロケットやスペースシャトルも、広義では有人衛星と言えます。
国際宇宙ステーション(ISS)
出典:NASA<https://www.nasa.gov/mission_pages/station/main/index.html>
⑹その他の衛星
これらの衛星の他にも、様々なミッションの衛星が存在します。
その例としては、宇宙空間における衛星の動作、技術を立証するための実証衛星や、教育目的で学生が主体となって組み立てる教育衛星、軍事目的で上げられる軍事衛星などがあげられます。
1970年に打ち上げられた日本初の人工衛星である「おおすみ」は、打上げ技術の検証と工学的試験の実施を目的とした試験衛星でした。最近JAXAによって打ち上げられ運用されている「つばめ」は、超低高度における衛星技術を検証するための試験衛星です。他にも、米国の偵察衛星「ラクロス」は軍事衛星の一つであり、多くの人工衛星が軍事目的で利用されています。
超低高度衛星技術試験機「つばめ」
出典: JAXA<http://www.jaxa.jp/projects/sat/slats/index_j.html>
人工衛星「おおすみ」
出典:JAXA<http://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/past/ohsumi.html>
また、最近では様々な用途を持つ衛星が開発、運用されているため、従来の分類以外の衛星の数が増えています。
日本のスタートアップであるアストロスケールが取り組む、スペースデブリ(宇宙ごみ)を除去する掃除衛星や、同じく日本のALEが取り組む、人工流れ星を放出する衛星。さらに、今後技術発展が予想される、軌道上で太陽光発電をして地上にマイクロ波で送電する太陽光発電衛星など、衛星のミッションは多岐に渡ります。
→第2回に続く…
参考文献
- 宮崎康行(2011)『人工衛星をつくる-設計から打ち上げまで-』オーム社